ハイブリッドマーケティング戦略の立案|概念と具体的なプロセス

ハイブリッドマーケティング戦略の立案|概念と具体的なプロセス
ハイブリッドマーケティングが非デジタル・オフラインマーケティングとデジタルマーケティングを連携させた戦略であることは、もう、皆さんもご存知だと思います。
この記事では、ハイブリッドマーケティングの定義と、戦略立案のプロセスを解説します。

ハイブリッドマーケティングとは

ハイブリッドマーケティングとは、非デジタル・オフラインマーケティングとデジタルマーケティングの手法を効果的に組み合わせ、相乗効果を生み出す戦略です。
従来の非デジタル・オフラインマーケティング(テレビCM、新聞広告、店頭販促など)と、デジタルマーケティング(SEO、SNS広告、Eメールマーケティングなど)を統合することで、より幅広い顧客層にアプローチし、顧客体験を向上させることを目指します。

ハイブリッドマーケティング成功のポイント

ハイブリッドマーケティングの成功には、以下、4つのポイントに留意が必要です。

1.Omnichannel戦略

顧客が複数のチャネルを横断して移動する際のシームレスな体験を提供します。

2.パーソナライゼーション

顧客一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズされたコミュニケーションを行います。

3.データに基づいた意思決定

データ分析に基づいて、マーケティング活動を最適化します。

4.継続的な改善

マーケティング環境の変化に対応し、常に改善を続けていきます。

ハイブリッドマーケティング戦略の立案プロセス

ハイブリッドマーケティング戦略を立案する際には、以下のプロセスを踏むことが効果的です。
  1. 現状分析と目標設定
  2. ターゲット顧客の明確化
  3. 最適なチャネルの選定
  4. コンテンツ戦略の策定
  5. 測定と改善

1. 現状分析と目標設定

ハイブリッドマーケティングの戦略立案のスタート地点は、これまで展開していた事業・マーケティング施策の分析と、新たな目標の設定です。

●現状のマーケティング活動の分析

  • 既存のオンライン・オフラインチャネルにおける顧客の行動、コンバージョン率、費用対効果などを分析します。
  • 各チャネルの強みと弱みを洗い出し、改善すべき点を明確にします。

●目標設定

  • 具体的な数値目標を設定します。
    (例:売上向上、顧客獲得数、ブランド認知度向上など)
  • 目標達成のためのKPI(Key Performance Indicator)を定めます。

2. ターゲット顧客の明確化

リアルな事業展開で、感覚的に設定していたターゲットを具体化します。さらに、ターゲットが自社商品やサービスと、どこで接するかも明確化します。

●ペルソナの作成

  • ターゲット顧客の属性(年齢、性別、職業、趣味など)、行動パターン、ニーズなどを詳細に描き出します。

●顧客ジャーニーの可視化

  • 顧客が製品やサービスと接触する一連のプロセスを可視化し、各タッチポイントにおける顧客の行動や心理を分析します。

3.最適なチャネルの選定

設定したターゲットを起点に、自社商品やサービスをどこで販売するか、どのようにターゲットに接触してもらうかを具体化します。

●チャネルの特性と費用対効果の比較

  • 各チャネルの特性(リーチ、ターゲティング精度、費用など)を比較し、目標達成に最も効果的なチャネルを選択します。
  • オフラインチャネルとオンラインチャネルの両方を検討し、それぞれの強みを活かせる組み合わせを考えます。

●顧客との接触頻度とタッチポイントの最適化

  • 顧客が各チャネルに接触する頻度やタイミングを最適化し、一貫性のあるメッセージを伝達します。

4.コンテンツ戦略の策定

ターゲットとチャネルの具体化プロセスで、どのようなコンテンツが必要になるかも見えてきます。これを具多的な計画に落とし込みます。

●コンテンツの企画・制作

  • 各チャネルに合わせた魅力的なコンテンツを企画・制作します。
  • オンラインとオフラインで共通のテーマやメッセージを設定し、ブランドの一貫性を保ちます。

●コンテンツの配信計画

  • コンテンツの配信スケジュールを策定し、効果的なタイミングで顧客にアプローチします。

5.測定と改善

戦略を実行に移したら、効果測定を継続的に行い、定期的に施策の改善を進めます。

●KPIの計測

  • 設定したKPIに基づいて、マーケティング活動の効果を定量的に測定します。

●データ分析

  • 収集したデータを分析し、改善点を見つけます。

●施策の改善

  • 分析結果に基づいて、マーケティング施策を改善します。

ハイブリッドマーケティングの事例

あくまでも一例ですが、小売業と飲食業での、ハイブリッドマーケティングの事例を簡単ですがご紹介します。

小売業

  • オンラインストアで商品を販売し、実店舗で試着や相談ができるようにする。
  • オンライン広告で店舗への来店を促し、O2Oマーケティングを実現する。

飲食業

  • SNSで新メニューやイベント情報を発信し、来店を促進する。
  • 公式アプリで予約やポイント管理を行い、顧客ロイヤリティを高める。

まとめ

ハイブリッドマーケティングは、企業が顧客との関係を深め、売上向上を実現するための強力なツールです。
前述のプロセスを参考に、自社のビジネスに最適なハイブリッドマーケティング戦略を立案することをおすすめします。

2024年12月20日
IMCマーケティング研究所
代表 高山佳典

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